
今回のインタビューでは、NISSOホールディングス株式会社の取締役専務執行役員兼COOである藤野賢治(以下、藤野)に自社のスポーツ協賛についてお話を伺っていきます。
今年から大きく動き出した、『NISSO×スポーツ』。その中でも藤野は企業とスポーツチームが結びつくことで生まれる新たな可能性を探しています。

◎スポーツと密に関わってきた学生時代
松井)藤野さんご自身もスポーツがお好きと伺いました。具体的にどのようなスポーツをされていたのでしょうか。
藤野)小・中学生時代は親の影響で野球をしていましたが、高校に入ってからはアメリカンフットボール部に所属し、部活動に明け暮れていました。
体を動かすことが好きだったので、グラウンドを走り回るアメフトは自分に合っていてとても楽しかったです。また、頭を使うスポーツでもあるので、その経験が今の仕事にも活きていると思っています。
松井)今現在はどのような形でスポーツと関わっていらっしゃいますか?
藤野)息子がサッカーをしているので、よく一緒に観戦に行きます。横浜FCの試合を観に行くこともありますね。子どもが好きなチームであればゴール裏で応援することもあるのですが、サッカーはスタジアムで見る臨場感と応援の迫力がすごいですよね。ファンと選手が一緒になって戦うその一体感はサッカーの大きな魅力だと感じています。
松井)かなりスポーツが好きなのですね!学生時代はアメフトに取り組まれていたと伺いましたが、今でも スポーツをする機会はありますか?
藤野)もうあまりないですが、子どもに“動き方”を教えることはときどきあります。アメフトとサッカーは体の使い方が似ているところがあるので、そういったアジリティ面や空中にあるボールのとらえ方などを教えていました。他の専門的な部分はプロのコーチにお任せしています。
松井)体の使い方は独学で覚えていく子も多いので、直接保護者に教えてもらえるのは大変貴重ですね。
◎価値のあるスポーツ協賛を
松井)日総グループのスポーツ協賛についてお伺いしていきます。横浜FCへの以前の協賛が印象的と話す方も多いのですが、藤野専務はいかがですか?
藤野)横浜FCのメインスポンサーとして胸に社名ロゴが入っているユニフォームがメディアで大々的にメディアで取り上げられているときは、一社員としてとても誇りに思っていました。
今現在、日総グループには約2万人の社員がいて、ご家族まで含めると本当に大きなコミュニティになっています。その中の多くが日総グループの地元・神奈川にいるため、まずはお世話になっているこの神奈川に企業として貢献したいという考えから協賛を再開することになりました。

★横浜FC旧ユニフォーム★
松井)最初は社名の認知度を上げるためのスポンサーシップだったと伺いましたが、今はどのような意図をもってスポーツへ協賛していますか?
藤野)こちらでも考えは持っていますが、まだ具体的には固めていません。これらの協賛を通して社員の皆様がどう感じているのか、社員の方々の声を聞きながら会社に浸透させていきたいと思っています。現在協賛しているスポーツのほかにもさまざまなスポーツ競技に支援をしていくのか、地域の子どもたちのスポーツを応援することによる社会貢献なのか…。多くのスポーツ協賛の形がある中で、社員とともに価値ある協賛にしていけたらと考えています。

◎企業がアスリートに差し伸べる手
松井)私のようなアスリート社員に期待していることは何でしょうか。
藤野)アスリートが持つアクティブさやコミュニケーション能力は会社にとって大事な要素となるものなので、スポーツに関わってきた人が会社にいることは大切だと思っています。
アスリートにとっても、雇用することで将来が見えない中で戦う“不安要素”を払拭できますよね。それができる社会になっていけば、日本のスポーツ文化の発展や子どもたちの夢の広がりに繋げていけると思います。1つの企業としてできることは限られているかもしれませんが、私自身、怪我でアメフトの道を諦めざるを得なかった時に仲間に支えてもらった経験があるので、そんな人たちの救いの手になる社会の仕組みと制度が充実されれば良いなと思っています。
◎クラブとともに戦うという価値
松井)スポーツ協賛を社会貢献としての活用とするだけでなく、事業に繋げていくようなイメージはありますでしょうか?
藤野)人材会社としての強みを活かし、副業で働きたいスタッフに就労場所を提供することや、地元を出て工場の近くで働いているスタッフに対し、スポーツの力を使って新たなコミュニティ作りの場を提供することなど、さまざまなところで事業に繋がるように議論を重ねています。
他にも人材会社のノウハウを使って、アスリート向けに人材紹介を行うことや教育関係の事業モデルなども考えています。ただ、今は市場に情報と実績がなく、難しい部分もありますが、人を育ててきた日総の経験をスポーツ界にも浸透させていきたいです。
もちろん、我々だけではなく、どんどん構築されていく人脈を使っていろんな企業様と協力しながら、これから進むべき道を探していこうと思います。スポーツの力を受け入れるだけではなく、“地元のクラブとともに戦っていく”という価値を日総発信で作っていきたいですね。

お忙しい中、インタビューにご協力いただきましてありがとうございました!
アスリートやスポーツに対して大変前向きに考えていてくださり、とても嬉しく思います。特に私たち女子サッカー界のようにまだまだ規模も小さく、発展途中のスポーツ競技にとってはこうした企業様の“応援したい”と思っていただける気持ちはとてもありがたく、成長に欠かせない存在になると思います。また、こうした企業様のスポーツに対しての情熱を私たちもしっかりと受け止め、自分たち自身も社会に貢献していかなければならないと感じました。