「僕がやってきたことは間違いじゃなかった」
障がい者社員がふと口にしたこの言葉の先にあったのは、1人ひとりの挑戦を信じる企業の姿でした。
本記事では、日総工産の特例子会社であり、障がい者雇用を行っている日総ぴゅあ株式会社(以下、ぴゅあ)を訪問した様子をレポートします!

【日総ぴゅあ株式会社】
日総工産株式会社の特例子会社として2007年に設立。
現在は新横浜本社を中心に幸浦、仲町台に事業所を構え、遠藤太嘉志代表取締役社長のもと212名(うち障がい者は186名)が在籍しています。
障がい者社員をCS(チャレンジドスタッフ)、指導・支援社員をSS(サーバントスタッフ)
と呼び、SSの中には臨床心理士や社会福祉士など有資格者も多数在籍しています。
◎現場レポート 今回は3つの事業所を見学しました!
■仲町台事業所・・・ぴゅあの中で最も大きい事業所。フロアごとにそれぞれ異なる作業を行っています。
①お土産用お菓子箱の組立・日用品の組立や検品

ライン作業のようにそれぞれ決められた工程を担当。時期により生産数や必要稼働人数が変わる中で障がい者社員であるCS社員自ら配置人数の変更や生産数の進捗管理を行っています。
②一般事務・販売業務
親会社である日総工産からの発注で名刺作成やデータ入力を行っています。
福祉作業所から仕入れた軽食や飲料を日総工産本社、近隣の専門学校に販売するための拠点としても機能しています。在庫管理や売り上げの計算作業ももちろんCS社員が担当。
③キッティング・AI学習業務(アノテーション)
日総工産社員が使用するPCのキッティング(初期セットアップ)や健康診断等のデータ処理、AI学習のための画像処理など専門性の高い業務を担っています。
■幸浦事業所・・・横浜市金沢区に位置。近隣企業から業務を受託しています。倉庫内の一区画を使用して工程を請け負っている仕事もあります。
業務内容は野球用バットやお菓子の箱組立、車部品のケース洗浄や商品ピッキングなど様々。
中にはここでの就業中にフォークリフトの免許を取得し、委託元の企業へ転籍した元CS社員もいらっしゃいます!
■ESR横浜幸浦内 ・・・業務を受託し倉庫内でのお菓子のパッキング、包装

お菓子の外箱の組立から商品詰め、包装を行い出荷前までの工程を担当しています。
包装には機械を使用するため、作業進捗の管理や商品に合わせた機械調整など、より高度なスキルが求められる業務を少数精鋭で行っています。

3つの現場を見学して何よりも感じたのは、CS社員の自立と責任感でした。
どこの現場も作業に必要な工程は全てCS社員のみで行っており、指導・支援のためにSSが介入している場面はほとんどありませんでした。
CS社員の皆さんは非常にチームワークが良く、和気あいあいと作業を行っているのが印象的でした。自分の担当業務を行いながらも周囲のメンバーに気を配り、チーム全体で業務を遂行させていました。
◎遠藤社長の想い

日総ぴゅあは単なる就職先、障がい者の自立のゴールではなく、あくまでも手段の一つです。
もしこの仕事を辞めても人との繋がりや培った技術を持って幸せな未来へ歩いて行ってほしいです。
【ぴゅあの指導方針について】
決めつけないことを前提に、諦めないで根気よく接して、一人ひとりのスキルに合わせて成長を促しています。各グループにリーダー・サブリーダーを決めたり、毎月良い活動をした社員に対して会社から表彰を行ったりしています。
中にはこれまでの成長過程で人から褒められる経験が少ない社員もいますので、褒めることを大切にしています。
◎CS社員インタビュー
Yさん 25歳 在籍3年目
現在はESR横浜幸浦でのお菓子のパッキング、
包装業務に従事。
【仕事について】
製品の入れ間違いをしてしまうと大問題に繋がるのでプレッシャーはありますが、進捗管理をして週末にきちんと業務を終わらせることができた時は達成感を感じます。
【今後の目標について】
入社時からぴゅあの社訓である”挑戦する心”を忘れたことはありません。もっと上の立場を目指して挑戦し、自分の仕事の幅を広げたいです。
これまでも色々な現場をやってきたからこそ、全てが今に繋がっているなと感じています。
その経験が次の仕事に活きると、自分のやってきたことは間違っていなかったんだ、やって良かったと思います。
◎まとめ
日総工産本社でも、清掃や郵便物の配布など私たちの業務に欠かせない役割を担ってくれています。仕事へ向き合う姿勢は社名の通り“ぴゅあ”そのもの。私たちも彼らに支えられているのです。
そして、その裏にある遠藤社長やSS社員の皆さんの「挑戦を後押しし、可能性を最大限に伸ばそう」という想いを感じました。
ここは、単なる職場ではなく、日総グループの創業理念「人を育て 人を活かす」の思いが込められた一人の人間として成長できる場所。
その先にあるのは、幸せな未来———————

