
2月某日、日総工産アスリート社員である私、松井里央が自身の所属するニッパツ横浜FCシーガルズと横須賀シーガルズの共同企画【GP(ゴールプレイヤー)・ストライカークリニック】に特別講師として参加。その様子を自ら取材してきました!
◎ニッパツ横浜FCシーガルズ/横須賀シーガルズとは

ニッパツ横浜FCシーガルズ(以下「ニッパツ」という。)は、神奈川県横浜市に拠点を置く女子サッカークラブです。日本の女子アマチュアサッカーのトップリーグである「なでしこリーグ1部」に所属しています。
横須賀シーガルズ(以下「横須賀」という。)はその下部組織であり、小学生から大人まで幅広い世代の女性がサッカーに親しむ場を提供しています。

★横須賀シーガルズ ユースチーム★
特にニッパツと横須賀のユース・ジュニアユースとの繋がりは強く、毎年ユースの選手のトップチーム登録や昇格がされたり、ニッパツのホームゲームではサポートスタッフとして選手のすぐ近くで試合観戦・運営に携わったりしています。
◎NISSOがスポンサーに!
NISSOホールディングスでは2025シーズンから横浜FC男子トップチームのオフィシャルスポンサーに17年ぶりの復帰したことに加え新たにニッパツ及び横須賀のオフィシャルスポンサーとして協賛しています。
ニッパツはトレーニングウェアの胸部分、横須賀は公式戦ユニフォームの背中上部にNISSOホールディングスのロゴが入っています!
今回の記事では、そんなニッパツと横須賀の共同企画【GP・ストライカークリニック】に現役選手でもある私が特別講師として参加しながら日総工産社員としてインタビューを行いこの企画の開催意図や主催者の想いを探ります。
◎GP ・ストライカークリニックって?
GPはゴールプレイヤー。長らくゴールキーパーと呼ばれていましたが、近年サッカー戦術がどんどん高度化していくにつれ、GKもゴールを守る人ではなく、その他フィールドプレイヤーと同じようにゴール前でプレーする人という意味がとても大きくなっていき、GPと呼ばれるようになってきました。
そしてストライカーとは主にピッチの前線で得点を取る人のことを指します。FWの選手が多いですが、シュートを多く放つ選手であれば中盤の選手にも使われることもあります。
サッカーの世界では、普段のチーム練習とは違い特別講師を招いたり様々なチームから選手の参加を募ったりしてトレーニングを行うことを総じてクリニックと呼びます。
今回のGP・ストライカークリニックではどこのチームに所属しているかに関わらず、地域の全女子選手を対象にクリニックを開催しました。
今回のクリニック参加者は小学4年生~中学3年生のGP5名とストライカー13名+横須賀に所属する中高生GP6名、横須賀のコーチングスタッフ5名とニッパツのGPコーチ1名と選手1名で開催されました。
⚽それではここから当日の様子を見ていきましょう⚽

トレーニングをする前に映像を使ってレクチャーを行い、その日のトレーニングイメージを築きます。具体的な技術の名前やトップチーム選手の映像を使った講義でも参加選手たちはとても真剣に受講していました。
その後グラウンドにてGP/ストライカーに分かれウォーミングアップとグループトレーニングに入ります。私も実際にプレーしながら選手の見本となれるよう、いつもより丁寧にトレーニングに参加しました。
各セクションが終わる度にどんどん実践的な練習に近づいていきます。実際に参加選手同士でシュート打ち合うことも。参加選手は順番待ちの間にほかの選手や横須賀の選手のプレーを見て自分と比べながらトレーニングをします。
仕上げはGP・ストライカー合同のシュートトレーニングとゲーム形式のトレーニング。交替しながらGPはシュートを止めること、ストライカーはシュートを決めることにこだわり練習していきます。

◎活発で実りあるトレーニング!
トレーニング中は終始みんなにこやかに明るく取り組んでいました。もちろん、小学生の参加選手は初めて会う人たちばかりで緊張や恥ずかしさも見られましたが、とにかく場を盛り上げ、笑いを起こすコーチ陣と優しく寄り添う横須賀の選手のおかげで次第に自分らしいプレーを発揮する選手が増えていきました。
また、この年の選手たちはサッカーを始めてまだ間もない選手や経験の少ない選手が多いにもかかわらず、みんなすごくサッカーへの理解が深いと感じました。どの場面でどういうプレーを出せばよいのか分かったうえでプレーを選択しているように見えました。これは年を重ねてどのレベルでサッカーをしていようがずっと共通して必要なことです。技術や体格に差はありますが、数ある選択肢の中から状況をみて判断、選択することはどの選手も変わりません。
◎今回のトレーニングを通して
私は今回講師として参加し、デモンストレーションとしてプレーをしながら参加選手のフォローをする立場でした。参加した選手は横須賀の中高生も含めとても素直で意欲的な選手ばかりだと感じました。見て考えて学びそれを実践してさらなる学びを得るということを当たり前のように行える選手たちばかりでした。
また、この年代にとっては非常に整えられた環境の中でトレーニングができていると思いました。トップクラスの指導者がいて、自分と同世代の同じポジションの選手がいて、自分が目指す一つ上のレベルの世代の選手がいてみんなでトレーニングをする。それぞれの選手のプレーを間近で見ることは良い刺激になるし目標になるでしょう。
自分のチームに戻ってもその存在は頭の中で認識し続け、努力の糧になると思います。

私自身は選手代表として参加することで、そこに立つだけで学生たちには意味があるのだと、今回のコーチ陣に言っていただきました。実際のプレーを見せることでコーチ陣の指導を現実化させることができるのだと。今回参加した選手が少しでも私のプレーを見て自分に置き換えて目標としてくれたら良いなと願っています。
また選手たちにはこの機会で学んだこと、思ったことを大事にしてほしいと思います。目標の選手やライバルを見つけて毎日練習することで、その質が格段に上がります。そして特徴的な両ポジションの選手であることもふまえ、さまざまなプレーの中でこれだけは絶対に誰にも負けないと思う武器を見つけて磨いてほしいと思います。それは自分がサッカーを続ける限り一生活きてくるものです。
そして楽しい・悔しいと純粋に思える自分の感情を素直に受け取ってあげてほしい。
感情が動かされるから次もっと練習しよう、努力しようと思える、原動力になります。
◎参加選手にインタビュー!
今回3選手にインタビューを行いました!
1人目:Sさん・小学校6年生・FW
2人目:Yさん・小学校5年生・FW
3人目:Mさん・小学校6年生・GP

1.今回のクリニックに参加しようと思ったきっかけはなんですか?
S)中学生になったら横須賀に入団予定で横須賀の公式アプリを見ていたところ、今回のクリニック開催のお知らせを見て参加してみたいと親に相談しました。
Y)前からニッパツが好きでよく試合を見ていたからです。参加してシュートやドリブルがうまくなりたいと思いました。
M)もともと横須賀に入団したいと思っていました。先輩たちや選手のプレーを見ながらトレーニングすることで成長できると思い参加しました。
最初に答えてくれたFWのSさんとGPのMさんはどちらも今年度の中学校入学と同時に横須賀に入団予定。また、Yさんのようにニッパツが好きで、横須賀にも興味が沸いてくれるのはとても嬉しいですね。
2.今回のクリニックで何ができるようになりましたか
S)ターンしてからのシュートがうまくなりました。コーチの方々が優しく教えてくれたのでとても分かりやすかったです。
Y)ドリブルやシュートがうまくなりました。特にターンしてシュートが上手にできた。
M)L字ブロックやXブロック(近距離で相手のシュートを止めるための技術)ができるようになりました。今まで本格的に教えてもらうことのなかった技術の練習でした。
松井)私もXブロックは今のチームに入るまでやったことない練習でした。それを小学校のうちから取り組めるなんて、レベルの高さを感じますね。
3.現在プレーしているポジションの好きなところはどこですか
S)たくさん点を決められることです。
松井)決めたらゴールパフォーマンスするの?
S)しない(笑)でもポーズ決めておこうかな!
Y)点を決められることです。練習の中でもシュート練習が一番好き。
M)ゴールを守らなければならない、責任感があるところが面白いです。大事な場面でセーブしてピンチを救えたらうれしい。
松井)分かる分かる。

4.好きな選手はいますか?
S)ドリブルが上手な三苫薫選手です。見ていてわくわくする。あんな風になりたい。
Y)エムバペ選手とニッパツの浦島選手です。
松井)浦島選手は小柄ながらドリブルが得意で相手に負けない体をもっている選手です。すごく上手だよね。
M)山下杏也加選手。安心感があるし、マンチェスターシティにも入りたいです。
松井)すごい!!!
M)でも英語しゃべれないから…
松井)それは絶対できるようになると思うよ(笑)
5.みんなの夢は何ですか?
S)プロサッカー選手になっていろんな国を回りたいです。そしてあちこちテレビに名前が出るような選手になりたいです。
Y)なでしこJAPANに入りたいです。
松井)みんなは2011年に女子日本代表がW杯優勝したことは知ってる?
S)私2012年生まれです・・・
Y)私2013年・・・
松井)待って噓でしょ!?ついに知らない世代がいるの!?
テレビで流れていたところも見てない??
S)見たことないです…

松井)驚愕(時の流れをこんなにも感じたのは初めてでした)(人生で初めてのジェネレーションギャップに衝撃)
松井)(気を取り直して)なでしこJAPANで好きな選手とかいる?
Y)藤野あおば選手です。
松井)ストライカーだね~うんうん。
M)なでしこJAPANにはいって山下選手を超えたいです。
松井)それはすごい!絶対超えられるよ!!
途中、衝撃的事実に言葉がでない時もありましたが(笑)、無事にインタビューを終えられました。
3人とも高い目標を持っているのはもちろん、自分のポジションがすごく好きで楽しみつつ、しっかり責任を感じながら真剣に取り組んでおり、素晴らしいと思いました。
また、女子日本代表のW杯優勝のようなサッカー界にとって特徴的な出来事を知らなくても「なでしこJAPANに入りたい」「海外で活躍したい」という目標が出てくるのは女子サッカーがこの世代の子供たちの生活に根付いている証拠なのでは、と少し嬉しくなりました。(私はこの優勝を見るまで女子サッカー日本代表があることすら知らなかったので)
クリニックに参加してくれた皆さんのこれからの活躍が楽しみです!!